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  • 執筆者の写真#takupilates

ピラティスは難しい?

更新日:2019年10月4日

Don't think Feel!

ブルース・リーの有名な言葉です。


「考えるな、感じろ。」

ピラティスの1時間の中では呼吸、筋肉、骨の動き、身体の感覚に意識を向けていきます。 身体の感覚に集中し「思考」をあけわたしている状態です。


ずっと思考を巡らせて、考えているだけでは自然な動きの調和は生まれません。


といっても、ピラティスは意識して身体を動かすので


考えないで動くことって、無理なんじゃないかな?


という疑問が湧いてきます。


そして「難しい」と感じる方、またはそうおっしゃる方はとても多いです。


なぜ難しいと思うのか?

結論として


頭の中だけで身体を動かしているからです。


ピラティスで起こりがちなことが、解剖学的な骨の名前や、見たこともない筋肉の説明、普段慣れない呼吸のパターンなど、


頭で考えることがたくさんありすぎて混乱してしまうこと。


これは瞑想状態ではなく「迷走」状態であることはインストラクターは理解しておく必要があると思いますし、


この混乱が、「難しいことにチャレンジして集中している」と勘違いしてしまうこともFeelではなくThinkになります。


ではどういう状態がFeelなのでしょうか?



人間の脳には3種類の動物が棲んでいる


人間の脳を動物で例えると下記のような3種類の脳の機能に分けられるそうです。



爬虫類の脳(脳幹・視床下部)、哺乳類の脳(大脳辺縁系)、人間の脳(大脳皮質) があります。

爬虫類脳は「生きていくための脳」心拍、呼吸、体温、血圧といった生命維持機能。 哺乳類脳は「感じるための脳」本能的な情動、快、不快の判断 人間の脳は「考えるための脳」論理、学習、言語、創造的思考力など、知性


をつかさどっています。


ピラティスは自分の身体を感じるための感覚、体性感覚や深部感覚など外側からの入力情報をキャッチするための「インプット」


意識的に身体に指令を送る「アウトプット」を相互にバランスを保ちながらエクササイズをしていきます。


「インプット」にあたるのが爬虫類脳(「生きていくための脳」心拍、呼吸、体温、血圧といった生命維持機能)


「アウトプット」にあたるのが人間の脳(「考えるための脳」論理、学習、言語、創造的思考力など、知性)とすると、


それが自分にとって心地よいものかを感じる脳が、哺乳類脳(「感じるための脳」本能的な情動、快、不快の判断)です。



先に述べたような「難しい」という問題がピラティスで起こってしまうのは人間脳で身体に動きを命令し続けているから(または人間脳しか意識ができていないから)です。


言い換えると脳から身体へ支持を送り続けて「アウトプット」をし続けているけど、

身体でどんな変化や細かい動きがあるのかという「インプット」を受け取っていない状態になります。


爬虫類脳から受けた身体の感覚情報を、


哺乳類脳で快、不快を判断し、自分にとって良い動きだと感じることができれば、


それはThinkではなくFeelになりまし、快、不快がわかるわけなので「難しい」ではないはずです。



人間脳が活躍できるのは爬虫類脳、哺乳類脳が満足した時


生命の危険にさらされていれば考えるどころではない、まずはそこから逃げることが優先されます。ですので爬虫類脳が満たされなければ人間脳は本来働けません。


また感情的に不快な場合も同様です。


哺乳類脳で快と感じるものに対しては、やる気ホルモン(TRH放出ホルモン)が放出されるそうです。


やる気ホルモンは脳の様々な部分に働きかけて全ての脳を活性化させ、


特に人間脳、その中でも行動計画の立案、実行、判断する前頭連合野を刺激するそうです。


そこで人間脳がやるべきことを命令すると、哺乳類脳が「好き・嫌い」について判断。「好き」となると爬虫類脳は本能的な欲求によって、その動きに向けてさらに働きを加速させます。


マインドフルネスではこの爬虫類脳をただ感じる、その感覚で満たすという状態です。 (マインドフルネスでは「Doing」モードと「Being」モードと表現したりしますが、

Doingモード(身体に何かさせる、命令をすること)をやめて、Beingモード(身体がただそこに「在る」、起こっている感覚を追随する)という状態を理想として呼吸を観察します。人間脳を沈めて爬虫類脳の働くままに、哺乳類脳の「判断」を入れずにただ「在る」という状態です。)



ピラティスはマインドフルネスではありませんので「インプット」と「アウトプット」の一方向的なやりとりではなく相互に作用することで効果が得られます。


とくに現代ではデスクワークやスマホなど身体を動かさずとも、頭の中で済む仕事やコミュニケーションが増えています。


日常から人間脳だけで身体を扱うことに慣れてしまっているため、

「思考」が強く「アウトプット」ばかりで身体の感覚の「インプット」が弱い、または動きが少ない、ゆっくりになる。


「難しい」という状態は、爬虫類脳の「インプット」、人間脳の「アウトプット」、それをつなぐ哺乳類脳での快、不快の判断ができていないときに起こるのではと思います。


快か不快と感じられればどちらにしても「難しい」という曖昧な状態ではないから。


ピラティスを受ける方は「難しい」で終わらせずに、感覚を受け取るということ


インストラクターはこの3つの脳での出来事を理解しながらクライアントがFeelするようにに伝えることが大切かと思います。


(イブ・ジェントリーというピラティスさんに直接学んだ後継者の方が「クライアントファースト」、身体に何かをさせるのではなく、意識が身体に起こっていることを追随するように動くことと仰っていると学んだことがあります。)


Body,Mind&Split の統合を目指したピラティス。

爬虫類脳、哺乳類脳、人間脳の統合と言い換えることもできるかもしれません。



ピラティス受講する際のポイント


ピラティスは小道具(ボール、マジックサークル、タオル、フォームローラー)や専用マシンを扱うレッスンが多数あります。


これらは「インプット」の力を高めてくれてます。


ただ単に道具やマシンを扱うことではなく、それぞれの道具の特性が身体にどんな力や感覚を与えてくれるのか?を意識して扱ってみてください。


きっと新たな「気づき」もたらしてくれるはずです。



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