top of page
執筆者の写真#takupilates

メモ:障害者スポーツセンターレッスン

更新日:2022年5月11日



年間で全12回。毎回同様の流れですが伝え方を工夫したり、参加者に感想を聞いてみたりの試行錯誤で、昨日が最後のレッスンでした。


感想は


「リラックスタイムだからただリラックスしていれば良いというものでなく、自身の体調によってその時の集中度が変わると思った。この時間に合わせて体調を整えたらうまく集中できた。普段か日々体調が変化することに意識をむけることができた。」


「花粉症で集中がむずかしかったが、呼吸を観察することは自分にとっては必要な気がしている。」


「はじめのころは、単純なストレッチと呼吸法という意識で取り組んでいたのが、今日の時間は前半の細かいからだの感覚を意識していくことが、呼吸の観察につながっていくことを全体として感じられた。」


というものでした。意図していることが伝わっているな~という実感がありました。


「リラックス」といっても自分がリラックスしているか?なかなか自分で感じることがむずかしいですね。反対にリラックスしていない状態、「緊張」「興奮」と対比するとわかりやすいかもしれません。


息は荒く、浅く、速くなる。筋肉は緊張して固くなる、気持ちは興奮してイライラ、ハラハラしている。これらは動物的な本能で命の危険から身を守る「逃げる」か「闘う」か体を動かすための本能なんですね。この緊張状態は自律神経の交感神経が優位になっている状態です。

現代は人間関係、情報など逃げたり闘ったりして身体を動かして解決できないストレスが増えています。交感神経が優位な状態に気づきにくいんですね。


では、リラックスするために必要になってくるのが「呼吸」です。

副交感神経が働いているとき、呼吸はゆっくりと深くなります。

また吸う息は交感神経、吐く息は副交感神経が優位になり常に入れ替わりながら働いています。これは手首の橈骨動脈に手を触れて呼吸してみると脈拍が呼吸と共に変動することですぐに実感できます。


リラックスの方法として呼吸をゆっくりと吐く息を長くしてくが一つ。

もう一つが脊柱の柔軟性です。脊柱には一つ一つの間から神経が張り巡らされ、内臓など各器官につながっています。脊柱の動きが偏って固まっていては神経の通りを阻害して自律神経で調整される内臓機能も低下してしまします。

また脊柱とつながる骨盤や胸郭にへばりついている筋肉が柔軟でなければ深い呼吸をしようと意識しても、呼吸で広がれないために浅い呼吸を繰り返してしまいます。


ですので、呼吸をコントロールしながら脊柱、骨盤、胸郭を動かして呼吸しやすい体を作っていきます。


まずはからだの感覚に気づく練習からしていきましょう。


ワーク1 「さする」「さわる」「タップする」


パーミング 両手を温めてハンズカップにしてまぶたを覆う。目のリラックス

30秒から1分ほどゆったり呼吸をしてみましょう。目の奥がゆるんでくるのを感じます。


手は脳のホムンクルスの中でも大部分占める感覚の敏感な部位。その手で自身の体をさわったり感じること(外受容感覚)で、

呼吸や体温、心拍、胃腸などの内臓の感覚(内受容感覚)への気づく準備をしていきます。


これらの身体の内部の情報を自分で感じられること、脳が自身のからだの状態を把握していることで自律神経、恒常性維持機構(ホメオスタシス)の維持に不可欠なのです。


手をこめかみ、頬骨、下あごと移動させながら、側頭部、下顎、舌の緊張に気づきます。考え事が多かったりすると頭の硬直、ストレスによって噛み締めが抜けてない方などもいらっしゃるかと。


次に、胸鎖乳突筋から鎖骨まで「さする」。自分の体の部位への意識を高める。呼吸によって動く関節への意識。鎖骨の長さの内観が弱いと肺の上部まで息を入れるという感覚が持ちにくい。また、普段の姿勢、前かがみが多いと肩をまるめてしまっているので、気づく。

からだへの気づきは認知症予防にもつながります。


胸骨、肋骨を「さする」「タッピング」

胸骨から肋骨の輪郭を感じる。本来やわらかい。みぞおちが固くなっていると横隔膜や肋骨の動きも固くなります。呼吸の準備。



ワーク2 手の運動

両腕で体の前で輪を作り、両手の指をくみます。

手のひらが自身のほうに向いています。次に反対側にむくように返します。

これを繰り返しましょう。手首のストレッチの効果もありますね。

そこだけではなく、今動いている関節に気づいてみましょう。

手首を意識してみます。

肘は動いていますか?曲がったり伸びたり。

肩の関節はどうでしょうか?

鎖骨、肩甲骨も動いているかもしれませんね。


日常生活で手元しか動かしていないと、体に近い関節の動きはわすれられて微細な動きもかんじとれなくなります。本来はうごいているのに脳が認識しないと本当にうごかなくなってしまうかもですね。


呼吸でも肋骨や鎖骨、肩甲骨など体の中心が微細に動いているのを感じられると集中しやすくなります。(固まった姿勢、動かない、とおもうと集中できない、ゆらゆらとうごく、膨らんだり縮んだりするからだの感覚があるので意識がそこに向く。)


呼吸のワーク


オンラインなのでみなさんがどのように呼吸をしているかを見て感じることが難しい。

秒数やイメージなどでその感覚を共有しましょう。


まずは今の呼吸を1分ほど感じます。


次にBOXの呼吸を実践してみましょう。

4秒で吸って、4秒止めて、4秒吐いて、4秒止める。直線でつなぐと正方形になるのでボックスの呼吸といわれています。

この目的は呼吸量の調整、普段の呼吸から意識的な呼吸のコントロールへの準備。

また、解剖学的にいえば吸う息で筋肉が収縮し、止めることで等尺性の収縮、つまり筋肉が緊張する状態から、吐く息で呼吸筋がゆっくりとゆるんで息を吐いていくというリズムをつかむため。


4セットだいたい1分


そこから4:6の呼吸に移行。

呼吸はBOXのように「角」が立つようなものが理想ではなく、波のように継ぎ目がわからない、角が立たないような呼吸が理想。


最後にカウントせずに自分の呼吸を探す。

肋骨を抱いて、呼吸によってその動きを観察。


背骨のワーク


前半の呼吸の吸い方、吐き方の様子を整えていくことがほとんどメイン。

背骨の動きに合わせて呼吸をする。

ニュートラル~屈曲。手は前でくみ、肘をひらく=屈曲時に肩甲骨を開き背中に息を入れるイメージ。

ニュートラル~伸展。手は座面の後ろに。少し肘を寄せ肩甲骨を寄せる。胸に吸うイメージ

側屈の呼吸 タオルでバンザイ。


最後に骨盤の動き

ペルビッククロック。

骨盤の安定の意識もそうだが、骨盤を揺らしたときに頭も自然と揺れる。

三半規管への刺激になり平衡感覚への注意が向く。

ただ座っていても自分がセンターにいるのか、または固まっていないか。


続く





閲覧数:24回0件のコメント

最新記事

すべて表示

目とからだ

以前から目とからだの動き、呼吸のつながりは感覚的に感じていた。 目の硬直で上位の肋骨、胸骨、縦隔周辺がくぼんでしまったり、足指のMP関節の伸展、片側の腸骨と肋骨(腸肋筋の感覚の弱さ)などが感じられていた。 感覚的につながりは理解しているのだけど、理論的に合致しているものが見...

マスターコースを終えて。

balanced bodyのマスターコースを終えて、 また一段ピラティスの理解が広がった。 クラシカルだ、コンテンポラリーだ、 あの人はこう言った、私はこっち。 団体やスタジオがいっぱいあるし、そういう話になりがち。実際に自分もそういう話は興味ある。...

2022

2022年頭にからだの「再建」をテーマに一年を過ごすことにしました。 子供が習い事に行ったり仕事が空いた好きに、走ったり、縄跳びしたり、懸垂にもチャレンジしはじめました。 バランスドボディのピラティス指導者養成コースに通いながら、数々の動きを実践するなかでも、...

Comments


bottom of page